今でも国家公務員試験(上級職)合格者の成績優秀者は、財務省、経済産業省等に進む傾向があるのでしょうか？また、各省庁の格や上級職者の入省の人気はどんな順番でしょうか？教えてください。

現在の制度では国家公務員１種試験合格者ををキャリアと称し他の公務員とは異なる待遇を与えていますキャリア組にとっての省庁の評価は個々の官僚が官僚として何を求めているかによって異なってきます経済的な実利を求めるのであれば財務省経済産業省が格上となりそれに国土交通省が続きます名誉を求めるのであれば総務省厚生労働省警察庁等旧内務省の流れを組む官庁を格上と捉えるでしょう経済的な実利は国の財政や経済政策に直接関わるのが何より近道になりますただしその分道を踏み外し司直の手に墜ちるリスクもあります名誉を重んじて旧内務省の流れを組む官庁へ進む道に選んだキャリア官僚はそれぞれの入省官庁でトップに進む事以外にも様々な選択肢が用意されていますまずその省庁の地方の出先機関のトップに立つ事です一例を挙げれば各地の警察本部（警視庁や各道府県警本部）の長になる事ですなまじ警察庁で幹部になるよりも名誉としてはかなりなものですさらに旧内務省系のキャリア官僚には他の省庁のキャリアには得る事の難しいある特権がありますそれは宮内 庁への出向です旧内務省系の官庁へ入省したキャリア官僚の中には将来宮内庁へ出向出来る事を一つの目標として入省している者が現在でもかなり数存在しています何故彼らがそれを望むかと言えば他の省庁に比べて宮内庁への出向がより容易に名誉を得る事が出来るからです一般の省庁では事務次官等ごく一部の官僚のみが特別職国家公務員という特別な立場の公務員となりますが宮内庁は課長級以上の職員が特別職国家公務員の扱いを受けますつまり他の省庁の職員では同期全員を蹴落とさなければ得られない名誉をより容易に確保出来るのです一般的によく知られる天下りという言葉とは別に最高裁判事就任と宮内庁への出向を官僚用語で天上がりと称する事からも官僚達が宮内庁をいかに特別視しているかがよくわかりますこのように官庁の格と一言で言っても個々のキャリア官僚が自身の人生の目標をどこに置くかでその評価はそれぞれ異なり一概にどの官庁が格上どの官庁が格下と言い切る事は非常に難しいと思います。