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店長になったら残業がエンドレス!これっておかしくない?

2017年 3月 20日

キャリタスLINQマガジン

外食チェーンに転職して1年が経ったBさんは、店長に抜てきされ給料が上がり権限も増えました。ところが、誰よりも早く来て遅く帰るという超長時間労働にもかかわらず、残業代は出ないし、休みも取れないという状況に。自分の時給を計算するとアルバイトよりも低く、Bさんは涙が出そうになりました。「店長だから責任があるのはわかるけど、これってひどすぎないか?」Bさんは改善を求めて本部を訪ねることにしました。

管理職に残業代が出ないのはなぜ?

「管理職になると残業代が出なくなる」という話を耳にしたことはないでしょうか?これは、管理職として働く人は、労働時間を自分でコントロールできる裁量権をもっていることに起因します。別の言い方をすると、労働時間を長くすることも短くすることも、自分で決められるということになります。

管理職になると管理職手当が付きます。管理職は部下に指示命令をする責任者ですから、労働時間も自然と長くなってしまいます。したがって、1カ月分の残業代を見込みで計算して手当に含め、実際に残業が発生していようとなかろうと、残業したと見なすようにしている企業は少なくありません。このため、明細では残業代が発生していないように見えるケースもあるのです。ただ、この場合も見込みを上回る残業が発生した場合は残業代を支払わなければなりません。

管理職と管理監督者の違い

さて、上記の仕組みだと管理職にも残業代が出ているのと結局同じことですよね。それでは、なぜ「管理職になると残業代が出ない」という話が出てくるのでしょうか?

その原因は「管理職」の定義にあります。実は、残業代を出さなくてもよい管理職が存在し、支店長や工場長等がそれに該当します。このような立場にある管理職を労働法では管理監督者といい、残業代の適用除外が認められています。これに対して、係長や課長、部長等の管理職は管理監督者とは通常見なされません。管理監督者と見なす際に満たすべき条件は以下の3つです。

1. 経営者と一体的な立場

会社の役員でなくても、会社の経営情報を役員と共有し、経営方針や経営計画、人事等の決定権をもっている必要があります。具体的なポストとしては、工場長、支社長、支店長などが挙げられ、場合によっては部長もこれに該当します。

2. 労働時間の裁量権

会社から労働時間の厳格な管理を受けることなく、自分の労働時間をコントロールする裁量権をもっていることが必要です。労働時間の裁量権をもっている場合、遅刻や早退、外出等があっても、賃金の控除が生じたり評価の査定に影響が出たりすることはありません。

3. 地位相応の待遇

管理監督者は経営者とほぼ同じ立場です。その地位に応じて、少なくとも、役員に準じる高待遇を受けている必要があります。

店長は管理監督者か?

さて、Bさんのような飲食店の店長は管理監督者として認められるかどうかですが、飲食店の店長で、管理監督者の条件を満たしているケースはまれであると考えられます。管理監督者の条件を満たさない店長は、通常の労働者と同じように労働法の適用を受けます。ある大手外食チェーンの店長が、残業代もなしに長時間労働を強いられているという問題がマスコミをにぎわし、「名ばかり管理職」という言葉が有名になったこともありました。「管理職には残業代が出ない」という考えは管理職と管理監督者を混同したことによって出てきた考えだといえるでしょう。

長時間労働と残業代は別問題

残業代の問題に続いて、長時間労働の問題はどうなるのでしょうか?

いくらお金がもらえるとはいえ、長時間労働はまた別の問題です。現在の労働法では、長時間労働を禁止する法律はありません。労働法では1カ月の残業時間の上限は45時間と決まっていますが、特別条項付き36協定を結べば制限なく残業させることができます。

こうした制限のない残業を抑制するために、
・1カ月の残業時間が60時間以上の場合は5割増の残業代を支払う
・100時間を超える残業によって疲労の蓄積がある者は医師の面接を受けなければならない
といったルールが設けられています。しかし、禁止する法律がないため、ルールはあっても長時間労働がなくなるわけではないのです。

早めに労働基準監督署に相談することが大切

残業代の問題にしろ長時間労働の問題にしろ、まずは社内の人事総務部門に相談すべきです。人事総務部門に話しても解決しないなら、労働基準監督署に相談。できれば、電話ではなく直接訪れ、深刻な状況を伝えましょう。悪質な場合は、労働基準監督署が動いてくれます。

問題を抱えたままにすることはあなたのためにも、会社のためにもなりません。労働基準監督署に相談したからと会社が腹を立てて、労働条件を不利益に変更することは法律で禁止されています。勇気をもって行動しましょう。

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