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育休を取ることが選択肢の全てではない。育児に普通に参加しているだけ。本音だらけの育休男子対談(後編)

2017年 9月 8日

laxic

育休を切り出すのは妻が安定期に入ってから、だけどそこから諸手続きをしようと思うとかなり慌ただしい(盛田さん)

名刺交換をする前にすでに盛り上がる育休男子の皆さん

本音だらけの育休男子対談、前編はこちら

編集部:育休を取ろう!と気持ちが決まったのはいいけれど、いざ切り出すのは緊張したんじゃないでしょうか。

高橋俊晃(以下、敬称略。高橋):育休を絶対取るって決めていた僕ですら、切り出すときは緊張しましたよ。来期の自分の割り振りとか次のプロジェクトが決まりつつある中で、「早めに言わなきゃ、でもまだ妻が安定期じゃないから言えないな」って葛藤の中でタイミングをはかっていました。

盛田諒(以下、敬称略。盛田):だけど、安定期に入ってから育休に入るまでの諸手続きを考えると、結構慌ただしいんですよね。

小野俊樹(以下、敬称略。小野):僕も長く時間をかけて周りの人に話していかなきゃなとは思ってました。だけど、言う側がドキドキするのって、言われる側が想定していないってことを切り出すからなんですよね。育休取得を考えている社内の男性からも「どのくらいのタイミングで育休を切り出したんですか?」とよく聞かれます。

育休を取ったからって特別なんじゃなくて、普通の人が普通のテンションで子育てしてるよってことを伝えて行かなきゃいけない(高橋さん)

左)高橋さん、中央)小野さん、右)盛田さん

編集部:育休も切り出してしまえば全然取れたよ、っていうのと同様に、やってみれば簡単なんだけど、夫婦間で不満や要望をどうせ分かってくれないだろうと自己完結してしまうことも多い中、どのような一歩が踏み出せたらより良い方向へ進めるでしょうか。

盛田:育休にしても初めてのことをしてみるのはこわいだろうし、誰かの反対にあうかもしれないけど、面白そうって思った直感に従ってみてもいいと思います。言っちゃったから引き返せない、という既成事実を作るのもいいし、自分が一言発言するだけでも背中を押されるんじゃないかと思います。育休を取ることが選択肢のすべてではないし、育児に参加したいと思うならそれをためらわずに自分にできそうな一歩を見つけて、それを誰かに言ってみるだけでもいいと思いますよ。

小野:僕の場合徐々に話していく範囲を広げていって計画的に進めていきましたが、準備の中で一番効いたのが、言葉に落とすことですね。モヤモヤしている状態が一番ストレスで、書いていくことで「自分はこういうことに悩んでいたんだ」とか、いろんなことが整理されてクリアになっていきました。

盛田:私も「育休の期間中はこのように仕事を進めたいと思います」と上司にメールをしたのですが、書いてみると「これだけのことだったのか」と気づいた部分もあります。

高橋:あと、生の育休男子を見たことがないからピンとこないという人も多いんじゃないかな。あのブログを書いている人、とか社内報に載っていた人、とかは知っていても、目の当たりにすることがあまりない。

育休を取ったことで、こういう風に記事に取り上げてもらうこともあるし、自ら発信もしていかなきゃいけないけど、決して特別なことをしているわけではなくて、普通の人が普通のテンションで普通に育休を取っているんだ、その中で悩んだり、楽しいことがあって、ってことが伝わらなきゃいけないなって思います。

小野:僕も復帰した際に、社内で「『あの』小野さんですか?」って言われたことがあります。『あの』って何なんだろうって・・・(笑)

家庭内にパパの子育ても、ママの子育ても両方あることがダイバーシティを生むはず(小野さん)

左から)小野さん、盛田さん、高橋さん

編集部:男性ももっと子育てに参加したいかもしれないし、もっと気軽に声をあげられる雰囲気になれば良いですね。

高橋:育休の取得に関しては、取らないという選択肢も尊重されるべきなんだけど、僕たちは「何で育休を取ったんですか?」って聞かれる立場なので、育休を取らないという選択した人たちに「それで大丈夫だったの?」って聞いてみたい気もしますね。

盛田:育休を取らないで共働きで子育てをしている人には、どうやって乗り切ったのか会って話してみたいなとは思いますね。

 

編集部:乗り切ったと思ってるかもしれないけど、実は奥さんがワンオペで頑張っていただけ…ってこともありそうですよね。

盛田:男性は特に勉強会とかが好きだし、実際、IT系では育休に興味ある男性は多かったりすると思うんです。男性同士ってなかなか繋がりがないから知識の交換もないんだけど、業種内でそういう交わりを起こしていけたらいいなあとは思ってます。

高橋:僕は自分の子供が親になって育休を取るときに「自分の頃は育休取得率が3%だった」と話して「え?そんなんで子育てできるわけないじゃん」と言われるような社会を変えたいという野望があります。

その頃には男性の育休も当たり前であってほしいのですが、あと2,30年で世の中の流れがそこまでシフトするのか?というと疑問で…。

盛田:男性育休も都心である程度恵まれた環境の人が取得しているという話を耳にすることが多く、地方でどんな事例があるのかは自分自身あまり知らないんですよね。

子育ての事情は全国で変わらないんだから、都心・地方にかかわらず自治体や企業にいる問題意識の強い人同士が連携していけるといいんじゃないかと思うし、勉強会レベルの草の根運動を経て、当事者間で共有していければいいですね。

小野:ニューヨークでは国際結婚をして子育てしている人たちも多かったので、多様な環境で子どもが育っているのを見ていると、将来多様性に満ちた社会で生きていく子どもたちを「男性は外で仕事、女性は家のこと」というだけの環境で育てるのはリスクが大きいなと感じました。

日本では日本人同士の夫婦が多いけど、少なくとも男女という違いは教えることができる。
妻が言うには、僕に子育てを任せてみると男性っぽい雑なやり方なんだけど、何とか生きていっている。一方で妻はできるだけ丁寧な子育てをしていて、それは家庭内におけるダイバーシティなんだと。

まだ結果は分からないけど、男女の子育ての違いは子どもにとっていい影響があるんじゃないかな。だから少しずつでも状況を変えていく努力を草の根的にやっていかなければいけないと思っています。

 

【今回インタビューにご協力してくださった3名の過去記事はこちら】
高橋 俊晃さん:「育休男子.jp」の社員が語る育休生活の醍醐味と自社運営の託児スペースへの担当者の思い 「ワークスアプリケーションズ」を包む子育てを応援する文化

小野 俊樹さん:奥様の大学院留学に育休を取得して帯同 お互いを尊重し、キャリアと子育てを両立するご夫婦

盛田 諒さん:奥さんに怒られないくらい、フツーに育児がしたい 盛田諒さんが語る「キラキラじゃない」等身大の育休

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